自然

町田に出かけたとき乗り換えの長津田駅でゴッホ展の看板を観たあと町田の古本屋で立ち読みしていたら、ちょうどその少し前に観たオリヴェイラの映画『神曲』がテーマとしていたキリスト教のことが書かれていた本があったので買った。その本に別にゴッホ論も載っていて色々プチシンクロだったのだがこんなことが書いてあった。

 

「現代においては(中略)自然との親和によって支えられてないのはもとより、自然との緊迫した対立を通して、自然を新たにつかみ直すための契機も失われてるようだ」(粟津則雄『精神の対位法』)

 

ゴッホも農民でなく都市から郊外での生活者だったわけで才能や病気や狂気によって自然に迫ったのだろうけど、都市生活者は確かになかなか豊かな自然に触れられない。しかし公園に行ったり自然のあるところに出かけて行くというのはあると思う。そんな束の間の自然の触れ合いも精神安定上大事だと感じてる人も多いのではないでしょうか。僕もスーパーで野菜を買ったりウォーキングの途中でそんな自然に触れることもあります、ただ歩きながら生産緑地や畑や大きな木を眺めるだけなのですが。いい感じの野原もあって寝転んだりすると気持ち良さそうなのですが入りたくても生産緑地や畑は私有地なので入れない。それでもやはり心身のリフレッシュにはなってはいます。整体もそんな自然への触れ合いのようなものだと思っていただければいいかも知れません。

 

この本が書かれてさらに時間が経ち近年は自然の脅威によって自然を考えないといけなくなっている。運が悪いと予期せずの緊迫した対立になってしまうのですね。インタビューで台風の被災者の方が「自然は怖いねー」と言っていた。身体においてもこういう緊迫した状態にならないようにたまに整体で自然な状態に整えましょう。
ところでゴッホ展は看板を鑑賞しただけになりそうです。