山田勇男映画DVD

山田勇男氏の映画DVD『旅の誘い』発売中

ご縁があって作品の選定と解説文を書かせていただいた山田勇男氏のDVDをお店で販売してます。
税込3,500円です。

 

通販は虹霓社さんでやっています。
https://kougeisha.theshop.jp/

[収録作品]
『ライオンと菫』1986年、65分、カラー/8mm
『降誕祭』1986年、15分、カラー、8mm
『旅の灯』1994年、30分、カラー、8mm
『un★image』1985年、12分、B&W、16mm

解説文を書いたとき20年ぐらいの期間で何度かこれらの映画を観た記憶で書いているところがあったので、発売されてDVDで作品を改めて観直して、解説文に書いたことと少し違う要素を改めて感じました。映画を観るとその時分に自分が考えていたりすることに沿って、あるいは映画によって触発され、毎回別の印象を持つというところもありますが、今回山田さんのこれらの作品をDVDで観て、それぞれの作品をラ・カメラなどの上映会場で実際にフィルムで観たその当時に感じていた感覚を思い出すという、現実の自分が感じていた出来事を詳細に想起するときに似たところがありました。

 

匂いであったり、天候であったり何かのきっかけでそのときに感じていた微細な感覚を思い出すということはありますよね。天候は近年変わって来ているのでこういう想起にも少し影響が出てるかも知れませんが。映画には撮られた当時の今とは違う空気や季節も反映してるところはあるでしょうね。そのように撮られた映画を観ているものは、懐かしく当時の感覚を思い出したり、また別の仕方で感じ何かを考えたりします。SFなどではそういう気候を作り出したり、現在の視点で昔を描いた映画ではその空気を再現しようとしたりするものもあるでしょうか。

忘れていた山田さんのこのDVDに納められてる作品の一つの要素として実験的なところが結構ありました。日記映画と実験映画は重なるところもありますが、それぞれ別の要素のものと考えてもいいかも知れません。山田さんのこの時期の日記映画にはいわゆる自然主義的な日記映画の描写に加えて、実験的、ミニマルな要素が結構な割合で入っていました。あざといという感じではなく僕にとっては絶妙な落としどころです。

 

『ライオンと菫』では音楽の映像へのBGM的ではない対峙のさせ方にも驚かされるところがあると思います。それらのことも解説文には書いてませんが観られると皆さん感じられるでしょう。映像界のゴッホ?の作品を死後ではなく現役のあいだに発見しましょう。

 

山田勇男氏のHP ヤマヴィカスコープ座