山の読書室/虹ブックス

また少し季節外れの記事なのですが、秋に富士宮市の「山の読書室/虹ブックス」に行って来ました。
https://kougeisha.net/?page_id=1141

 

ここへは車で行くか、公共交通機関だと新富士駅か富士宮駅からバスに乗り、「かみ村」というバス停で降り少し歩いた場所にあるのですが、朝早く行けば昼前に着き、半日居られて、夕方にバスに乗れば日帰りが出来ます。(行かれる方は何らかの手段で交通手段を確認してください)

僕は通常営業時の「つげ義春とガロの本」展開催時に行ったので予約してなかったのですが、到着するとご主人と奥様がこころよく迎えてくれました。ちょうど着いた時奥様が庭先で冬に向け薪割りをしていました。多く積んであったので薪ストーブや風呂焚きに使うのでしょうか。

図書室の中はナチュラルな材料を使った内装で落ち着く空間でした。つげ義春の全集、大全など、ガロ系の漫画やアート・サブカル系、田舎暮らしに関連する本、同運営の虹霓社が出版している本や思想系の関連本などが置いてありゆっくり本が読めます。虹霓社が作っているつげ義春のTシャツや手ぬぐいも売っていました。山田勇男さんの映画のDVDや本も置いてありました。
夏は涼しそうですが、冬に行く場合は基本閉まってるようなので、開けて貰うために前もって連絡しておき、防寒対策をしっかりして行ったほうがいいかも知れません。夏は外席も気持ち良さそうです。僕が行ったときも外席で毛布をかけて漫画を読んでいたお客さんがいらっしゃいました。

つげ義春の主要な作品は読んでいたのですが、新しい全集が置いてありそれには以前の全集に入ってなかった貸本時代の作品が全て網羅されてました。あとは外国語に翻訳された作品集が置いてあってデザインと大きさがカッコよかったです。

店主の古屋淳二氏と古屋然子さんが集めた本は特徴があって漫画や思想系の本と並んで田舎暮らしに関する本やDIYで色々やっていくのに参考になる本が多く置いてあり楽しめました。ここでしか読めないようなZINEもあってこれらには田舎暮らしのいい部分だけでなく苦労や試行錯誤や失敗談も書いてあり興味深いと思いました。必ずしも移住ということでなく、都市での生活や畑を借りての農業や、生活上の工夫やなりわいの捉え方においても役立つ本が多いという感じです。

 

ご家族は徳島の神山町に移住したあと、富士宮市にさらに移られたようです。図書室の2階にもし住んでらっしゃれば、つげ義春の「李さん一家」の絵になるのですが、隣に母屋がありそちらに住んでらっしゃるようでした。図書室の方は納屋を改造したとのことです。

コーヒーを頂き、本を読んでいたらお腹が減って来たので、持参したお弁当を許可をいただき食べさせて貰いました。その後外を散歩しました。富士山の麓で森があり、ところどころ伏流水が湧き出て小川になっています。その湧水がが集まり渓流となって少し下の集落のとの段差で滝となってるところもあり、そのあたりの名所となってるようでした、滝の下は比較的大きな集落です。

 

森も渓流沿いも綺麗に手が入っていて快適でした。渓流で水を飲んでみました。森を隔てて2本ある渓流で水は微妙に違う味がしたように思います。「ほたるこい」の歌をうる覚えで歌いました、どっちの水も美味しかったですけどね。

読書の合間にご飯を食べ、マイナスイオンを浴び美味しい水を飲んだことで頭が冴え、図書室に戻ってからの本探しと読書が捗りました。少し学校のようだと思っていたら、お子さんが学校から帰って母屋に入って行くのが窓越しに見えました。

 

コーヒーを頂いたあと湧き水を少し飲みすぎて帰路でトイレが近くなり大変でしたが、楽しく勉強になった一日でした。蔵書はご夫妻の実践からのセレクションなのでしょうね。
https://womo.jp/column/detail/41864/

図書室に置いてあった『ソロー日記 秋』のこちらを訪れた日にちと同日の日記を読むと以下のようなことが書いてありました。
「冬は、興奮した情熱でなく、冷静な理性が支配する。彼は思考と省察の中に生きる。官能的な夏を過ごすとするなら、ある種の虫類や動物のようにその人は冬眠状態で冬を過ごすであろう。人間は冬、外面的なものよりも自分自身に、自らの力量に頼る。」(一部抜粋)

少しは冬らしい記事になったでしょうか。今冬は近年では寒いですね、冬眠状態で身体が固まりすぎたり、痛くなったり、耐えられなくなったら整体にいらしてください。